野球では、走る・打つ・守るなど、骨盤や股関節周辺を大きく使う動作が繰り返されます。
そのため、
- 股関節が痛い
- 脚の付け根が痛い
- 骨盤のあたりが痛い
- 走ると痛い
- 打つと痛い
- 守備で動くと痛い
といった症状が起こることがあります。
ただし、股関節周辺が痛いからといって、股関節そのものに原因があるとは限りません。 股関節の周囲には筋肉や腱、骨などさまざまな組織があり、痛みの場所だけで原因を判断することはできません。
また、成長期の野球選手では、成長に関連する部分の問題など、成人とは異なることも考える必要があります。[1][2]
この記事では、野球選手の骨盤・股関節周辺の痛みについて、
症状 → 原因 → 何が考えられるか → 練習 → 受診 → 検査 → 治療・リハビリ → 野球への復帰
という流れで整理します。
骨盤・股関節の痛みは、どこに起こる?
「股関節が痛い」と感じても、実際に痛みを感じる場所は人によって異なります。
例えば、
- 股関節の前側
- 脚の付け根(鼠径部)
- 骨盤の前側や横
- お尻の周辺
- 太ももの付け根に近い部分
- 腰に近い骨盤周辺
などがあります。
また、痛みが出る場面もさまざまです。
- 走ると痛い
- ダッシュすると痛い
- 打つと痛い
- 守備で動くと痛い
- 股関節を動かすと痛い
- 歩くと痛い
- 日常生活でも痛い
このように、**「どこが痛いか」「いつ痛いか」「どの動作で痛いか」**を整理することは、症状を把握するうえで大切です。
ただし、痛みの場所や動作だけから原因を決めることはできません。実際の評価では、痛みの経過や身体診察などを組み合わせて考えます。[1][3]
ここで詳しく知りたい方へ
→ 野球選手の股関節・骨盤の痛み|場所・動作別の症状
野球選手の股関節・骨盤はなぜ痛くなる?
骨盤・股関節周辺の痛みは、1つの原因だけで起こるとは限りません。
野球選手では、例えば次のようなことが関係する場合があります。
- 練習や試合による身体への負荷
- 急激な練習量の増加
- 走る・ダッシュする動作の繰り返し
- 打撃や守備での下半身の動き
- 疲労やコンディションの変化
- 筋肉や腱などへの負荷
- 成長期による身体の変化
- 過去のけが
特にアスリートの股関節痛では、関節の内側だけでなく、その周囲の筋肉や腱なども含めて原因を考える必要があります。[1][2][3]
そのため、
「フォームが悪いから痛くなった」
のように、1つの原因だけで説明することは適切ではありません。
痛みが出た時期や練習量、動作、身体の状態などを合わせて考えることが重要です。
ここで詳しく知りたい方へ
→ 野球選手の股関節・骨盤の痛みはなぜ起こる?
骨盤・股関節が痛いとき、何が考えられる?
骨盤・股関節周辺の痛みには、さまざまな組織や状態が関係する可能性があります。
大きく分けると、
- 筋肉・腱に関係する問題
- 骨に関係する問題
- 関節に関係する問題
- 成長期に関連する問題
などがあります。[1][2][3]
成長期の選手では、成長に関連する骨の付着部(アポフィジス)や骨盤周辺に問題が起こることもあります。[1][5]
例えば、思春期のアスリートでは骨盤周辺の剥離骨折などもみられます。[5]
ただし、ここで大切なのは、痛みの場所だけから「このけがだ」と自己判断しないことです。
同じような場所が痛くても、原因が異なることがあります。
そのため、痛みが続く場合やスポーツ活動に影響している場合には、症状の経過を整理したうえで医療機関に相談することが大切です。
ここで詳しく知りたい方へ
→ 野球選手の股関節・骨盤が痛いときに考えられること
股関節・骨盤が痛いとき、練習を続けていい?
「少し痛いだけだから、練習を続けても大丈夫?」
と迷う選手や保護者は少なくありません。
しかし、練習を続けてよいかどうかは、痛みの原因や程度、経過、身体の状態などによって異なります。
例えば、
- 練習するたびに痛みが強くなる
- 走ると痛みが出る
- 痛みが徐々に強くなっている
- 日常生活でも痛みがある
- 歩くことがつらい
といった場合には、無理に練習を続けず、医療機関への相談を検討しましょう。
一方で、練習量や動作をどの程度調整するかは、原因や状態によって変わります。[2][3]
「痛いけれど我慢して続ける」か「完全に何もしない」かの二択ではありません。
現在の状態を確認しながら、必要に応じて運動量や内容を調整することが大切です。
ここで詳しく知りたい方へ
→ 股関節・骨盤が痛いとき、練習を続けていい?
股関節・骨盤が痛いとき、病院に行ったほうがいい?
すべての痛みで同じ対応が必要になるわけではありません。
ただし、次のような場合には、医療機関への相談を検討しましょう。
- 痛みが続いている
- 練習するたびに痛みが出る
- 痛みが徐々に強くなっている
- 日常生活にも痛みがある
- 歩くことがつらい
- 急に強い痛みが出た
- 転倒や衝突など、けがをした後から痛い
- 痛みのために野球の動作ができない
特に成長期の選手では、痛みの原因を自分だけで判断することが難しい場合があります。
「休めば治るだろう」と決めつけず、症状の経過を確認しながら必要に応じて医療機関に相談しましょう。
ここで詳しく知りたい方へ
→ 野球選手の股関節・骨盤が痛いとき、病院に行くべき?
病院ではどんな検査をする?
医療機関では、いきなり画像検査だけを行うわけではありません。
まず、
- いつから痛いのか
- どこが痛いのか
- どの動作で痛いのか
- きっかけとなるけががあったか
- 練習や試合にどの程度影響しているか
- 日常生活に影響しているか
などを確認します。
そのうえで身体診察を行い、必要に応じて画像検査などが検討されます。[1][3]
画像検査には、例えばX線やMRIなどがあります。
ただし、どの検査を行うかは全員同じではありません。
症状や経過、身体の状態、疑われる問題などを踏まえて、必要な検査が選択されます。[1][4]
「股関節が痛いから必ずMRIを撮る」というものではありません。
ここで詳しく知りたい方へ
→ 野球選手の股関節・骨盤の検査|X線・MRIなど
骨盤・股関節の痛みはどう治す?
治療方法も、痛みの原因や身体の状態によって異なります。
例えば、
- 練習量や運動量の調整
- 必要な治療
- 身体の状態や動作の評価
- リハビリテーション
- 段階的な運動再開
などが検討されます。[1][2]
大切なのは、痛みだけを一時的に抑えることではなく、現在の状態に合わせて運動や身体への負荷を調整しながら、必要な治療やリハビリを進めることです。
どのような治療が必要かは、原因によって変わります。
そのため、インターネットで見つけた方法をそのまま当てはめるのではなく、必要に応じて専門家に状態を確認してもらうことが重要です。
ここで詳しく知りたい方へ
→ 野球選手の股関節・骨盤の痛みの治療とリハビリ
野球にはいつ復帰できる?
「痛みがなくなったら、すぐに通常練習へ戻っていい?」
というと、必ずしもそうとは限りません。
痛みが改善してきても、いきなり全力で走ったり、通常通りの投打・守備を行ったりするのではなく、状態を確認しながら段階的に運動量を戻していくことがあります。
一例としては、
日常生活
↓
軽い運動
↓
ジョギング・ランニング
↓
ダッシュ
↓
野球動作
↓
練習
↓
試合
というように、負荷を少しずつ上げていくイメージです。
ただし、これはあくまで一般的なイメージの一例です。
すべての選手に同じ順序や基準が当てはまるわけではありません。
実際の復帰時期や進め方は、原因となった問題、症状、身体の状態、競技内容などによって異なります。
ここで詳しく知りたい方へ
→ 股関節・骨盤の痛みから野球へ復帰するまで
骨盤・股関節の痛みを予防するには?
骨盤・股関節周辺の痛みを防ぐためには、特定のストレッチやトレーニングだけを行えばよいわけではありません。
日頃から、
- 急激に練習量を増やさない
- 疲労をためすぎない
- 適切に休養する
- 身体の状態を確認する
- 痛みを我慢して練習を続けない
といったことを意識することが大切です。
また、成長期では身体が変化していくため、以前は問題なくできていた動作でも、身体の状態が変わることで負担の感じ方が変わることがあります。
予防については、単純に「この方法をやれば防げる」と考えるのではなく、練習量、休養、身体の状態、痛みの変化などを含めて考えることが重要です。
ここで詳しく知りたい方へ
→ 野球選手の股関節・骨盤の痛みを予防するには?
骨盤・股関節が痛い野球選手へ
骨盤・股関節周辺が痛いときは、
「どこが痛いか」だけで原因を決めないこと
が大切です。
まず、
- どこが痛いのか
- いつから痛いのか
- どの動作で痛いのか
- 痛みは強くなっているのか
- 野球や日常生活にどの程度影響しているのか
を整理してみましょう。
そのうえで、痛みが続いている場合や悪化している場合、日常生活や野球に支障がある場合などは、医療機関への相談を検討してください。
必要に応じて状態を確認し、運動量を調整しながら、治療・リハビリ、そして野球への復帰へと進んでいきます。
このサイトでは、骨盤・股関節の痛みについて、次のようなテーマに分けて詳しく解説していきます。
症状を知る
↓
原因を知る
↓
練習を続けてよいか考える
↓
受診を検討する
↓
検査について知る
↓
治療・リハビリを知る
↓
野球への復帰を考える
気になるところから、必要な記事を読んでみてください。
参考文献
[1] Sinha R, Ellis HB, Podeszwa DA, Sucato DJ, Morris WZ. Clinical evaluation of the painful adolescent and young adult hip. JPOSNA. 2024;7:100043. doi:10.1016/j.jposna.2024.100043.
[2] Giordano BD. Assessment and treatment of hip pain in the adolescent athlete. Pediatr Clin North Am. 2014;61(6):1137-1154. doi:10.1016/j.pcl.2014.08.004.
[3] Calcei JG, Safran MR. Evaluation of Athletes with Hip Pain. Clin Sports Med. 2021;40(2):221-240. doi:10.1016/j.csm.2020.11.001.
[4] American College of Radiology. ACR Appropriateness Criteria®: Chronic Hip Pain. Revised 2022.
[5] Di Maria F, Testa G, Sammartino F, et al. Treatment of avulsion fractures of the pelvis in adolescent athletes: A scoping literature review. Front Pediatr. 2022;10:947463. doi:10.3389/fped.2022.947463.


