「野球肘とは?」の記事では、野球肘が一つの病気ではなく、投球によって肘に生じるさまざまな障害の総称であることを解説しました。

では、なぜ「投げる」という動作で肘に負担がかかるのでしょうか。
「投げすぎだから」「フォームが悪いから」と考えてしまいがちですが、野球肘を一つの原因だけで説明することはできません。
投球そのものが生み出す力学的な負荷に加えて、成長段階、投球量、疲労、競技環境、身体機能、投球動作など、複数の要素が関係して発生すると考える方が、現在の研究に近い捉え方です。
若年野球選手を対象としたsystematic reviewでも、年齢、身長、複数チームでの活動、球速、腕の疲労など、複数の因子と上肢障害との関連が報告されています。[1][2] (PubMed)
この記事では、野球肘が起こる仕組みを、
投球の力学 → 肘にかかる負荷 → 成長期 → 疲労・反復投球 → 投球量・競技環境 → 身体全体の動き
という順番で整理します。
※この記事は一般的な医学情報を提供するものであり、個別の診断や治療を行うものではありません。
- この記事で押さえておきたいこと
- 1.野球肘は「一つの原因」で起こるわけではない
- 2.投球では、なぜ肘に大きな力がかかる?
- 3.肘の内側・外側では、かかる負荷も違う
- 4.成長期では、なぜ大人と違う野球肘が起こる?
- 5.実際に、子どもの肘痛はどのくらい起こる?
- 6.疲労・反復投球によって、肘にはどんな変化が起こる?
- 7.投球後、肘はどのように回復する?
- 8.投球量・競技量は野球肘とどう関係する?
- 「何球なら安全?」には一つの答えがない
- 9.身体全体の使い方も関係する
- 10.下半身・体幹の問題が腕の障害に関係することはある?
- 11.「フォームが悪いから野球肘」は本当に正しい?
- 12.「投げすぎ」だけでも説明できない
- 13.野球肘の原因を「一つの犯人」にしない
- 14.📝 筆者の経験から|私も「使いすぎ」とだけ考えていました
- よくある質問
- まとめ
- 関連記事
- 医学的根拠について
- 公式情報
この記事で押さえておきたいこと
- 投球では肘に大きな力学的ストレスが生じ、内側・外側など異なる組織に負荷がかかります。
- 成長期では骨格が発達途中にあるため、成人とは異なる部位が負荷の影響を受けることがあります。
- 反復投球後には、肘内側の力学的状態に一時的な変化がみられることが研究で確認されています。
- 投球量や競技量は重要な管理対象ですが、「○球なら必ず安全」という単純な境界線ではありません。
- 投球フォームや身体機能も関係しますが、野球肘を一つのフォームや身体部位だけで説明することはできません。
1.野球肘は「一つの原因」で起こるわけではない
野球肘を理解するうえで、最初に知っておきたいのは、
野球肘は、一つの原因だけで発生するとは限らない
ということです。
若年オーバーヘッド競技選手を対象としたKraanらのsystematic reviewでは、野球の肘・肩の痛みについて、守備位置、投球技術、練習の強度や量など、複数の要因が関連因子として報告されています。[1] (PubMed)
また、Nortonらのsystematic reviewでは、思春期野球選手において、年齢、身長、複数チームでのプレー、球速、腕の疲労が投球側上肢障害の独立したリスク因子として報告されています。
一方、1試合当たりの投球数は、主に肩障害との関連が示されています。[2] (PubMed)
ここで大切なのは、
「リスク因子がある」ことと、「それだけが原因である」ことは同じではない
ということです。
たとえば、
「投げすぎたから野球肘になった」
「フォームが悪かったから野球肘になった」
と一つに決めつけるのではなく、
どのような身体の状態で、どのくらいの負荷を、どのような動作で、どれくらい繰り返したのか
を考える必要があります。
2.投球では、なぜ肘に大きな力がかかる?
投球は非常に高速な全身運動です。
下肢や体幹で生み出した力が、肩や肘、手を通してボールへ伝わります。投球メカニクスのreviewでは、投球をキネティックチェーンとして説明し、
複数の動作要因が肩・肘のトルクと関連すると整理しています。[3] (PubMed)
Fleisigらが高度に熟練した健康な成人投手26人を対象に行った生体力学研究では、投球中に64 N・mの肘varus torqueが生じたことが報告されています。[4] (PubMed)
この数字は、投球時に肘に大きな力学的負荷が生じることを示す重要なデータです。
ただし、この研究の対象は高度に熟練した成人投手です。
したがって、
「小学生の肘にも64 N・mの力がかかる」
という意味ではありません。
年齢、体格、投球速度、投球動作などによって肘にかかる力は異なります。
3.肘の内側・外側では、かかる負荷も違う
投球による負荷は、肘の一か所だけに集中するわけではありません。
肘の内側
投球時には、肘を外側へ開こうとする外反方向のストレスが生じます。
その力に対して、肘の内側にある靱帯や筋・腱などが肘を安定させる役割を担います。特に**UCL(肘内側側副靱帯)**は重要な安定化組織の一つです。[3][4] (PubMed)
肘の外側
一方、投球では肘外側の関節にも圧迫力が生じます。
生体力学研究では、投球時の橈骨頭と上腕骨小頭からなる関節に最大約500 Nの圧迫力が推定されています。これは人体の関節内で直接測定した値ではなく、生体力学的な解析に基づく推定です。[5] (PubMed)
このような圧迫ストレスは、成長期の上腕骨小頭に生じる**離断性骨軟骨炎(OCD)**を理解するうえで重要な背景の一つです。
つまり、
同じ「野球肘」でも、内側・外側・後方では、負荷を受ける組織や力のかかり方が同じではありません。
4.成長期では、なぜ大人と違う野球肘が起こる?
ここは、子どもの野球肘を理解するうえで特に重要です。
成長期の身体は、成人と同じ状態ではありません。
骨が成長している途中では、骨端線など成長に関わる構造が存在し、関節周囲の骨や軟骨も成熟の途中にあります。
そのため、同じ投球動作でも、
どの組織が負荷の影響を受けやすいか
は、成長段階によって異なります。
思春期のオーバーヘッド・スローイング選手を扱ったreviewでは、骨格成熟に伴って肘に生じる障害のパターンが変化し、成長段階を考慮した評価が重要とされています。[6] (PubMed)
つまり、
「大人では靱帯が問題になる負荷だから、子どもでも同じ組織が最も影響を受ける」
とは限りません。
成長期の選手では、年齢だけでなく骨成熟や発達段階も含めて考える必要があります。
5.実際に、子どもの肘痛はどのくらい起こる?
成長期の選手に肘痛がどの程度みられるのかを示す研究があります。
Matsuuraらは、過去に肘痛がなかった7~11歳の野球選手449人を1シーズン前向きに追跡しました。[7] (PubMed)
その結果、449人中137人(30.5%)がシーズン中に肘痛を経験しました。[7] (PubMed)
肘痛を経験した137人のうち、99人(72.3%)で身体診察上の異常がみられました。
さらに、身体診察で異常があった選手のうち、81.4%にX線上の異常が認められました。[7] (PubMed)
また、1年後の評価時に12歳であること、投手・捕手であること、年間100試合を超えてプレーすることが肘痛と関連していました。[7] (PubMed)
ただし、ここで非常に重要な注意があります。
この研究の30.5%は「野球肘の発症率」ではありません。
調査しているのはシーズン中に肘痛を経験した割合です。
したがって、
「子どもの野球選手の約3割が野球肘になる」
という意味ではありません。
6.疲労・反復投球によって、肘にはどんな変化が起こる?
「疲れてきたら投げ続けない方がいい」
といわれる背景には、反復投球による肘の変化を調べた研究があります。
Hattoriらは高校野球選手25人を対象に100球の投球を行わせ、投球前と投球後の肘内側関節裂隙を超音波で評価しました。
その結果、60球後から肘内側の関節裂隙gappingが有意に増加しました。[8] (PubMed)
また、Matsuoらはpre-adolescent野球選手11人と大学生12人を対象に60球の最大努力投球を行わせ、両群で60球後の肘内側関節裂隙gappingの増加を確認しました。[9] (PubMed)
つまり、
反復投球によって、肘内側の力学的な状態が一時的に変化する可能性があります。
ただし、
「関節裂隙が広がった=靱帯が損傷した」
ではありません。
これらの研究は、反復投球後の関節裂隙の変化を評価したものであり、その変化だけから靱帯損傷を診断したものではありません。
7.投球後、肘はどのように回復する?
反復投球による変化だけを見ると、
「投げれば投げるほど、肘は壊れていくのでは?」
と不安になるかもしれません。
しかし、投球後の回復過程を調べた研究では、少し違う側面も見えてきます。
2025年に発表されたHattoriらの研究では、平均16歳の高校野球投手26人が100球を投球し、その後24時間にわたって肘内側の状態が追跡されました。[10] (PubMed)
投球直後には肘内側関節幅などの変化がみられましたが、研究では外反方向の弛緩に対する肘の安定性は24時間以内に回復しました。
また、UCLや前腕屈筋群について統計学的な変化がみられたものの、それらは最小検出可能変化量の範囲内でした。[10] (PubMed)
この研究から、
「100球投げたら靱帯が必ず損傷する」
とは言えません。
一方で、
「反復投球によって肘に一時的な変化が生じ、それが時間とともに回復する」
ことを理解する材料にはなります。
なお、この研究は高校野球投手26人を対象としたcontrolled laboratory studyです。
その結果だけから、
「24時間休めば誰でも安全に投げられる」
と一般化することもできません。
8.投球量・競技量は野球肘とどう関係する?
ここまでの研究を見ると、投球量は野球肘を考えるうえで無視できない要素です。
Nortonらのsystematic reviewでは、思春期野球選手の投球側上肢障害について、年齢、身長、複数チームでのプレー、球速、腕の疲労などがリスク因子として整理されています。[2] (PubMed)
また、若年野球選手を対象としたreviewでは、守備位置、投球技術、練習の強度・量なども関連因子として報告されています。[1] (PubMed)
つまり、
投球量は重要ですが、投球量だけで野球肘を説明することはできません。
「何球なら安全?」には一つの答えがない
日本臨床スポーツ医学会の1995年の「青少年の野球障害に対する提言」では、青少年の全力投球数について年代別の目安が示されています。
ただし、これらを、
「この球数以内なら必ず安全」
という医学的な境界線として理解するべきではありません。
現在、学童野球では競技団体による球数管理も行われています。全日本軟式野球連盟は2026年シーズンから、従来の1日70球以内(4年生以下60球以内)に加えて、1週間210球以内(4年生以下180球以内)の投球数制限を導入しています。これは投球過多による障害予防を目的とした競技上のルールです。 (全日本軟式野球連盟)
ここでは詳細な球数管理を扱いすぎず、具体的な予防方法については**「野球肘の予防方法」**の記事で詳しく解説します。
9.身体全体の使い方も関係する
投球は肘だけで行う動作ではありません。
下肢、股関節、体幹、肩甲帯、肩、肘、前腕など、身体のさまざまな部分が連動してボールへ力を伝えます。
Chalmersらのreviewでは、投球をキネティックチェーンとして捉え、下肢・体幹から上肢へ力が伝達されると説明しています。また、いくつかの投球動作要因が肩・肘のトルクや傷害リスクと関連すると整理されています。[3] (PubMed)
したがって、
肘だけでなく、身体全体の状態を見る
という考え方には意味があります。
ただし、
「股関節が硬いから野球肘になった」
「体幹が弱いから肘を痛めた」
といった単純な因果関係を示すことはできません。
10.下半身・体幹の問題が腕の障害に関係することはある?
身体の一部の障害が、その後の腕の障害と関連することを示した研究もあります。
BullockらはMinor League Baseballの投手297人を対象に追跡し、下肢または体幹のkinetic-chain injuryを経験した投手では、その後の腕の障害発生ハザードが高かったと報告しています。[11]
ただし、この研究の対象は、
Minor League Baseball投手
です。
したがって、
「下半身をケガすると子どもも野球肘になる」
と一般化することはできません。
この研究から学べるのは、
投球障害を考えるとき、身体全体を見る視点も持っておく
ということです。
11.「フォームが悪いから野球肘」は本当に正しい?
ここは保護者・選手に特に知っておいてほしい部分です。
投球フォームと肘への負荷との関係は、数多く研究されています。
一方で、若年野球選手のsystematic reviewでは、投球技術が肘・肩痛に関連する因子として報告されているものの、研究結果は一様ではありません。[1] (PubMed)
したがって、
「フォームが悪いから野球肘になった」
と一つの原因に決めつけるのは適切ではありません。
もちろん、フォームを評価することには意味があります。
投球動作によって肩や肘にかかるトルクが変化する可能性があるためです。[3] (PubMed)
ただし、
フォームを評価すること
と、
フォームを野球肘の単一原因とすること
は別です。
12.「投げすぎ」だけでも説明できない
ここまでを整理すると、野球肘には、
投球そのものが生む力学的負荷+成長段階・骨成熟+投球量・練習量+疲労+競技環境+身体機能・投球動作
など、複数の要素が関係します。[1][2][3] (PubMed)
イメージすると、
投球による力学的負荷
+
成長段階・骨成熟
+
投球量・練習量
+
疲労
+
競技環境
+
身体機能・投球動作
↓
肘にかかる負荷の積み重ね
↓
さまざまな野球肘
となります。
ただし、これは、
すべての選手に同じ要因が、同じ強さで作用する
という意味ではありません。
13.野球肘の原因を「一つの犯人」にしない
野球肘になると、
「何が悪かったんだろう?」
と原因を一つ探したくなることがあります。
「投げすぎだった」
「フォームが悪かった」
「身体が硬かった」
「筋力が足りなかった」
と考えてしまうこともあるでしょう。
しかし、医学研究からみても、野球肘は一つの要因だけで説明できるものではありません。複数のリスク因子が報告されており、研究によって結果が一致しない要因もあります。[1][2] (PubMed)
だからこそ、
「何が悪かったのか」を一つ探すより、「今、どのような負荷がかかっているのか」を考える
ことが大切です。
これは、痛みが出たときにも、再発を予防するときにも役立つ考え方です。
14.📝 筆者の経験から|私も「使いすぎ」とだけ考えていました
私自身、選手だった頃は、肘の痛みについて深く考えていませんでした。
「使いすぎだから」「練習がきついから」
その程度に考えて、痛みを抱えながら野球を続けていた時期があります。
当時は、投球によって肘にどのような力がかかるのか、成長期ではどの組織が負荷の影響を受けやすいのか、疲労によって身体にどのような変化が起こるのかを知りませんでした。
今、柔道整復師・鍼灸師として身体の仕組みを学び、少年野球の現場にも関わるようになって感じるのは、
「痛みの原因を一つ探すだけでは、選手を守れない」
ということです。
投球量はどうだったのか。疲労は残っていなかったか。成長段階はどうだったのか。身体全体の状態はどうだったのか。
そして、どのような投球を繰り返していたのか。
こうしたことを一つずつ考えていくことが、野球肘を理解することにつながるのだと思っています。
よくある質問
Q1.野球肘は結局、投げすぎが原因ですか?
投球量は重要な要素の一つですが、それだけで野球肘を説明することはできません。
年齢、疲労、競技環境、身体機能、投球動作など、複数の要素が関係します。[1][2]
Q2.フォームを直せば野球肘は防げますか?
フォームを評価することには意味がありますが、フォームだけを原因と考えるのは適切ではありません。
投球技術と肩・肘の負荷との関連は研究されていますが、すべてのフォーム要因について、傷害との因果関係が確立しているわけではありません。[1][3]
Q3.子どもでは、大人と違う野球肘が起こるのですか?
はい。成長期では骨格が発達途中にあるため、成人とは異なる部位が負荷の影響を受けることがあります。
そのため、年齢だけでなく骨成熟や発達段階も考慮する必要があります。[6]
Q4.疲れていなければ投げ続けても大丈夫ですか?
疲労だけで投球の安全性を判断することはできません。
反復投球によって肘内側の一時的な力学的変化がみられる研究がありますが、それだけで傷害の有無を判断することもできません。[8][9]
Q5.投球数を守れば野球肘にはなりませんか?
投球数の管理は重要ですが、
「この球数以下なら絶対に安全」
という意味ではありません。
投球量以外にも、年齢、疲労、競技環境など複数の要因があります。[1][2]
Q6.肘が痛いのはフォームが悪い証拠ですか?
必ずしもそうではありません。
野球肘には複数の要因が関係する可能性があるため、フォームだけを原因と決めつけることはできません。
痛みがある場合は、自己判断でフォームを大きく変更するより、まず状態を確認することが大切です。
まとめ
野球肘について、まず覚えておきたいのは次のことです。
- 野球肘は一つの原因だけで起こるものではありません。
- 投球そのものによって、肘の内側・外側などに大きな力学的負荷が生じます。[3][4]
- 成長期では骨格成熟の違いによって、成人とは異なる部位が負荷の影響を受けることがあります。[6]
- 反復投球後には、肘内側の関節裂隙などに一時的な変化がみられることが研究されています。[8][9]
- 投球量・疲労・競技環境なども重要ですが、どれか一つだけで野球肘を説明することはできません。[1][2]
- フォームや身体機能も関係しますが、それだけを野球肘の単一原因と決めつけることはできません。[1][3]
- 大切なのは「何が悪かったか」を一つ探すことではなく、「現在、どのような負荷がかかっているのか」を考えることです。
野球肘の予防について、投球数・休養・疲労・身体機能などをさらに詳しく知りたい方は、**「野球肘の予防方法」**の記事も参考にしてください。
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医学的根拠について
[1]Kraan RBJ, de Nobel D, Eygendaal D, Daams JG, Kuijer PPFM, Maas M. 2019
若年オーバーヘッド競技選手の肘・肩のoveruse injuryや痛み、関連因子をまとめたsystematic reviewです。
[2]Norton R, Honstad C, Joshi R, Silvis M, Chinchilli V, Dhawan A. 2019
Risk Factors for Elbow and Shoulder Injuries in Adolescent Baseball Players: A Systematic Review.
The American Journal of Sports Medicine. 2019;47(4):982-990.
DOI: 10.1177/0363546518760573.
PMID: 29630388. (PubMed)
22研究を対象としたsystematic reviewです。年齢、身長、複数チーム、球速、腕の疲労などが投球側上肢障害の独立したリスク因子として報告されています。
[3]Chalmers PN, Wimmer MA, Verma NN, Cole BJ, Romeo AA, Cvetanovich GL, Pearl ML. 2017
The Relationship Between Pitching Mechanics and Injury: A Review of Current Concepts.
Sports Health. 2017;9(3):216-221.
DOI: 10.1177/1941738116686545.
PMID: 28107113. (PubMed)
投球をキネティックチェーンとして捉え、投球メカニクスと肩・肘のトルクや傷害リスクとの関係を整理したclinical reviewです。
[4]Fleisig GS, Andrews JR, Dillman CJ, Escamilla RF. 1995
Kinetics of baseball pitching with implications about injury mechanisms.
The American Journal of Sports Medicine. 1995;23(2):233-239.
DOI: 10.1177/036354659502300218.
PMID: 7778711. (PubMed)
高度に熟練した健康な成人投手26人を対象とした生体力学研究。投球時の肘varus torqueとして64 N・mが報告されています。
[5]Kamei K, Sasaki E, Fujisaki K, Harada Y, Yamamoto Y, Ishibashi Y. 2021
Ulnar collateral ligament dysfunction increases stress on the humeral capitellum: a finite element analysis.
JSES International. 2021;5(2):307-313.
DOI: 10.1016/j.jseint.2020.10.022.
PMID: 33681855. (PubMed)
UCL機能低下時の上腕骨小頭への負荷を有限要素解析で検討した研究です。本記事では、投球時の外側圧迫ストレスを説明する背景文献として使用しています。
[6]Looney AM, Rigor PD, Bodendorfer BM. 2021
Evaluation and management of elbow injuries in the adolescent overhead athlete.
SAGE Open Medicine. 2021;9.
DOI: 10.1177/20503121211003362.
PMID: 33996078. (PubMed)
思春期のオーバーヘッド・スローイング選手の肘障害について、骨格成熟、病態、診断、治療を整理したreviewです。
[7]Matsuura T, Suzue N, Kashiwaguchi S, Arisawa K, Yasui N. 2013
Elbow Injuries in Youth Baseball Players Without Prior Elbow Pain: A 1-Year Prospective Study.
Orthopaedic Journal of Sports Medicine. 2013;1(5).
DOI: 10.1177/2325967113509948.
PMID: 26535252. (PubMed)
肘痛歴のなかった7~11歳の野球選手449人を1シーズン追跡した前向き研究。137人(30.5%)がシーズン中に肘痛を経験しました。
[8]Hattori H, Akasaka K, Otsudo T, et al. 2018
The effect of repetitive baseball pitching on medial elbow joint space gapping associated with 2 elbow valgus stressors in high school baseball players.
Journal of Shoulder and Elbow Surgery. 2018;27(4):592-598.
DOI: 10.1016/j.jse.2017.10.031.
PMID: 29289491. (PubMed)
高校野球選手25人を対象に100球投球を行い、60球後から肘内側の関節裂隙gappingが増加したことを報告しています。
[9]Matsuo K, Masuma H, Kawabata M, et al. 2022
Medial elbow joint space gapping associated with repetitive baseball pitching in preadolescent baseball players.
Journal of Shoulder and Elbow Surgery. 2022;31(5):1035-1041.
DOI: 10.1016/j.jse.2021.11.009.
PMID: 34968691. (PubMed)
pre-adolescent野球選手11人と大学生12人を対象に60球の最大努力投球を行い、両群で60球後の肘内側関節裂隙gappingが増加しました。
[10]Hattori H, Okamura S, Hall T, Sakaguchi K, Akasaka K. 2025
Recovery of the Medial Elbow Joint in the 24-Hour Period After Repetitive Pitching in High School Players.
The American Journal of Sports Medicine. 2025;53(1):115-122.
DOI: 10.1177/03635465241293074.
PMID: 39741472. (PubMed)
高校野球投手26人が100球を投球した後、24時間にわたって肘内側の変化を追跡したcontrolled laboratory study。投球直後の変化と、その後の回復過程を評価しています。
[11]Bullock GS, et al. 2022
Initial kinematic chain injuries increase hazard of subsequent arm injuries in professional baseball pitchers.
Journal of Shoulder and Elbow Surgery. 2022;31(9):1773-1781.
DOI: 10.1016/j.jse.2022.04.016.
PMID: 35598837.
Minor League Baseball投手を対象に、下肢・体幹のkinetic-chain injuryと、その後の腕の障害との関連を検討した前向き研究です。
公式情報
日本整形外科学会
「野球肘」
野球肘について、原因・病態・診断・治療・予防を解説しています。 (JOA)
全日本軟式野球連盟
2026年導入:学童部における一週間に係る投球数制限
2026年シーズンから、学童部に1週間210球以内、4年生以下180球以内の投球数制限を導入しています。 (全日本軟式野球連盟)



