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野球肩でも投げていい?痛みがあるときの判断ポイントを解説

野球肩で痛みがあるときの投球判断ポイントを示したイラスト 野球肩

「野球肩とは?症状・原因・治療・予防・投球復帰まで徹底解説」では、野球肩の全体像について解説しました。

また、「野球肩はなぜ起こる?原因・投球負荷・疲労・成長期を解説」では、

投球そのものの負荷に加えて、投球量、疲労、成長段階、身体機能、投球動作、競技環境など、複数の要素から野球肩を考える必要があることを説明しました。

では、実際に肩が痛いときは、投げてもいいのでしょうか?

「痛いけれど投げられる」

「少し休めば大丈夫そう」

「大会が近いから投げたい」

このように迷う場面は少なくありません。

この記事で最も伝えたいのは、

「投げられる」ことと「投げてよい状態」であることは、同じではない

ということです。

投球時に肩が痛む場合は、痛みを我慢して投球を継続せず、いったん投球を止めて状態を確認することを考えたいところです。

特に成長期では、成人とは異なる肩障害を考える必要があります。[3] (スプリンガーリンク)

この記事では、

投球を続ける前に確認したいこと → 投球後・翌日の痛み → 成長期の注意 → 受診を考えたいケース → 休養中の考え方 → 再び投げ始めるときの基本

という順番で整理します。

※この記事は一般的な医学・スポーツ医学情報を提供するものであり、個別の診断や投球許可を行うものではありません。実際の運動や投球の可否については、症状や診断、回復状況を踏まえて、診療を担当する医師・理学療法士などの指示を優先してください。


この記事を読むと分かること

  • 肩が痛いときに投球を続けることをどう考えるか
  • 「投げられる」と「投げてよい」が違う理由
  • 投球中・投球後・翌日の痛みをどう確認するか
  • 投球以外の練習をどう考えるか
  • 成長期の選手で特に確認したいこと
  • どのような場合に医療機関への相談を考えるか
  • 大会前でも痛みを我慢しないための考え方
  • 休養中の活動をどう考えるか
  • 痛みが落ち着いた後、再び投球へ戻るときの基本

1.まず結論|肩が痛む状態で、痛みを我慢して投球を続けるのは避けたい

まず、最も大切なことからお伝えします。

投球時に肩が痛む場合は、痛みを我慢して投球を継続せず、いったん投球を止めて状態を確認することを考えたいところです。

ここで注意したいのは、

「肩が痛い=重大な障害」

と決めつけることではありません。

肩の痛みにはさまざまな原因があり、痛みだけから病名を判断することはできません。

特に小児・青年では、成人とは異なる急性・オーバーユース肩障害がみられるため、年齢や発達段階を含めた評価が重要です。[3] (スプリンガーリンク)

また、Little League Shoulderについてのsystematic reviewでは、投球休止後に段階的に競技へ復帰する管理が報告されています。

一方で、具体的な復帰基準を示した研究は23研究中11研究にとどまり、すべての選手に共通する標準化された復帰基準が確立されているわけではありません。[4] (PubMed)

そのため、

「投げられるから続ける」

ではなく、

「痛みがあるので、まず投球を止めて状態を確認する」

という順番で考えることが大切です。

ここでの「投球を止める」は、すべての身体活動を禁止するという意味ではありません。痛みを我慢しながら投球を続けることを避け、次の判断につなげるための一時的な対応として考えてください。


2.「痛いけど投げられる」は「投げていい」とは限らない

野球では、肩が痛くても投げる動作自体はできてしまう場合があります。

特に、

  • 試合に出たい
  • チームに迷惑をかけたくない
  • レギュラーを外れたくない
  • 大会が近い
  • エースとして投げたい

といった事情があると、

「これくらいなら大丈夫」

と考えやすくなります。

しかし、

「投球できる」ことと、「投球を続けてよい」ことは同じではありません。

肩・肘障害後の投球復帰については、痛みや日常生活、可動域、筋力などを確認し、状態が整った後に段階的に投球へ戻す考え方が示されています。[5] (PubMed)

つまり、

「今、投げられるか」だけではなく、「今の身体が投球負荷を受けられる状態なのか」を考える

ことが重要です。

「投げられる」は能力の問題です。

一方、

「投げてよい」

という判断には、症状、病態、身体機能、回復状況など、別の情報が関係します。


3.どんな痛みなら「投球を続けない」で考えたい?

肩の痛みがあるときは、単に「痛い・痛くない」だけでなく、いつ、どのように痛むのかを確認してみましょう。

※以下は診断基準ではありません。肩の状態を自己診断するためのチェックリストではなく、痛みがある状態で投球を続ける前に、いったん状態を確認したいサインとして整理しています。

次のような変化がある場合は、投球を続ける前に状態を確認したいところです。

  • 投球するたびに肩が痛む
  • 投げるほど痛みが強くなる
  • 投球後にも痛みが残る
  • 翌日まで痛みが続く
  • 痛みのため投球動作が変わる
  • 腕を動かしにくい
  • 日常生活でも肩が痛い
  • 同じ痛みを繰り返している

ここで確認したいのは、

「何の病気か」

ではありません。

「この状態で投球を続ける前に、一度立ち止まって考える必要があるか」

です。

小児・青年では、症状だけでなく年齢や発達段階を含めて肩の状態を評価する必要があります。[3] (スプリンガーリンク)

したがって、この項目に当てはまったからといって、特定の病気だと判断することはできません。


4.投球後や翌日に痛みが残る場合はどうする?

肩の痛みを考えるときは、

「投げているときだけ痛い」

のか、

「投げ終わったあとも痛い」

のかを分けて考えてみましょう。

さらに、

「次の日にはどうなっているか」

も記録しておくと、症状の経過を把握しやすくなります。

7~11歳の野球選手900人を1年間追跡した前向き研究では、18.3%の選手が肩痛を経験しました。

また、肩痛は投手・捕手であること、週あたりのトレーニング時間、肩・肘痛の既往などと関連していました。[2] (PubMed)

ただし、この研究は、

「翌日も痛い=重大な障害」

という基準を検証したものではありません。

また、18.3%という数字は、

肩痛を経験した割合

であり、

野球肩という特定の診断を受けた割合

でもありません。[2] (PubMed)

そのため、

「翌日に痛みが残ったから、この病気だ」

と判断することはできません。

一方で、

投球後も痛みが続く、翌日にも同じ痛みを繰り返す

という情報は、症状の経過を把握するうえで重要です。

痛みが続く場合は、自己判断で投球を続けるのではなく、必要に応じて医療機関への相談を検討してください。


5.痛みが軽くなったら練習に戻っていい?

ここでも、

「痛みが減った=すぐ通常投球」

とは考えません。

肩・肘障害後の投球復帰では、投球開始前の状態を確認し、その後に段階的に投球負荷を戻すという考え方が示されています。[5][7] (PubMed)

たとえば、

痛みがなくなった

という変化は重要です。

しかし、

その日から全力投球

という意味ではありません。

また、Little League Shoulderについても、研究によって休養期間や復帰基準にばらつきがあります。[4] (PubMed)

そのため、

病態や回復状況に応じて、投球負荷を段階的に戻す

という考え方が基本になります。

具体的な投球復帰の考え方については、「野球肩から投球復帰するまでの考え方」で詳しく解説します。


6.投球以外の練習ならしてもいい?

「投げなければ、練習は全部できる?」

という疑問もあります。

結論からいうと、

一律には決められません。

病態や痛みの程度、回復状況によって、制限する活動が異なるためです。

Little League Shoulderについてのsystematic reviewでは、投球を休止しながら投球以外の活動を行った報告があります。[4] (PubMed)

ただし、これは、

「野球肩なら投球以外の活動は何をしてもよい」

という意味ではありません。

たとえば、

  • 打撃
  • 守備
  • 走塁
  • 筋力トレーニング

なども、肩の状態によっては制限が必要になる場合があります。

一方で、

投球を休むことと、すべての身体活動を禁止することは同じではありません。

病態や回復状況によっては、投球以外の活動やコンディショニングを行える場合もあります。

具体的に何をしてよいかは、診断や症状、回復状況に応じて医療者へ確認してください。


7.成長期の選手は特に注意したい理由

小学生や中学生などの成長期では、肩を考えるときに、

「大人と同じ」と考えない

ことが重要です。

小児・青年の肩障害についてまとめた2025年のreviewでは、小児・青年には成人とは異なる急性・オーバーユース肩障害があり、年齢や発達段階を考慮した評価が重要であることが整理されています。[3] (スプリンガーリンク)

成長期の投球関連肩障害の代表例の一つが、

Little League Shoulder

です。

Little League Shoulderは、投球に関連して近位上腕骨の成長部に生じる障害として扱われています。Bednarらのsystematic reviewでは23研究、266人が対象となり、加重平均年齢は12.8歳でした。[4] (PubMed)

ここで大切なのは、

「成長期だから必ず肩を痛める」

という意味ではないことです。

成長段階によって考えるべき病態が異なるため、

肩の痛みを「成長期だから仕方がない」と決めつけない

ことが重要です。

Little League Shoulderについては、症状・検査・治療・復帰までを独立した専門記事で詳しく解説します。


8.「休めば治る」と自己判断しすぎない

肩が痛くなったとき、

「とりあえず休めば治るだろう」

と考えることもあります。

投球を休むことは重要な対応の一つですが、

「休めば必ず治る」

とは限りません。

症状の原因や程度によって必要な対応が異なるからです。

Little League Shoulderについても、投球休止は多く報告されている一方、休養期間や復帰基準には研究間のばらつきがあります。具体的な復帰基準を報告した研究は23研究中11研究でした。[4] (PubMed)

したがって、

「2週間休めば大丈夫」

のような一律の期間を、自分で設定することは避けたいところです。

休んでも痛みが続く、何度も繰り返す、腕を動かしにくいなどの変化がある場合は、医療機関に相談してください。


9.こんな場合は医療機関への相談を考える

肩の痛みがある場合、次のような状況では医療機関への相談を検討してください。

  • 投球するたびに痛む
  • 痛みを繰り返している
  • 痛みが徐々に強くなっている
  • 投球後も痛みが残る
  • 翌日にも痛みが残る
  • 腕を動かしにくい
  • 日常生活でも痛む
  • 肩に力が入りにくい
  • 投球を休んでも改善しない
  • 成長期の選手で投球時痛を繰り返している

小児・青年では、成人とは異なる肩障害を考える必要があります。[3] (スプリンガーリンク)

ただし、この記事の項目は診断基準ではありません

ここで伝えたいのは、

「この症状なら○○という病気」

と判断することではありません。

「症状が続いているので、一度状態を確認してもらおう」

という考え方で、受診を検討することです。

詳しい受診の目安については、**「子どもが肩を痛がったら病院に行くべき?野球肩の受診目安」**で詳しく解説します。

なお、転倒や衝突などの明らかな外傷のあとに強い痛みが出た場合や、明らかな変形・急な機能低下などがある場合は、通常の「様子をみる」判断とは分けて、早めの医療評価を考えてください。


10.試合前でも、痛みを我慢して投げてはいけない?

大会が近づくと、

「あと1試合だけ」

「大会が終わったら休む」

と考えたくなることがあります。

本人が投げたい気持ちも、チームとして投げてほしい事情もあるでしょう。

しかし、

大会の日程と、身体が投げてよい状態かどうかは別の問題です。

Pitch Smartでは、若年投手について、投球数、必要休養日数、年間の投球量、複数リーグでの活動、疲労の管理など、投球負荷を管理するための指針が示されています。[8] (MLB.com)

ただし、

Pitch Smartの投球数を守っていれば、肩が痛くても投げてよい

という意味ではありません。

Pitch Smartは投球負荷を管理するためのガイドラインであり、個別の肩痛に対する診断基準や医学的な投球許可基準ではないからです。[8] (MLB.com)

したがって、試合前でも、

球数の範囲内かどうかだけではなく、肩の状態そのものを確認する

ことが大切です。


11.保護者・指導者はどう声をかければいい?

肩の痛みを訴えた選手に対して、周囲の大人ができることの一つは、

痛みを隠さなくてもよい環境をつくること

です。

例えば、

「どこが痛い?」

「投げているとき?終わったあと?」

「次の日はどう?」

「最近、投げる機会が増えていない?」

と確認します。

一方、

「それくらいなら投げられる」

「大会までは我慢しよう」

「フォームが悪いんじゃない?」

と決めつけるのは避けたいところです。

思春期野球選手では、腕の疲労や複数チームでの活動などが投球側上肢障害と関連することが報告されています。[1] (PubMed)

また、Pitch Smartでも複数リーグで活動する選手について、年間を通した管理や疲労の確認が示されています。[8] (MLB.com)

だからこそ、

「痛い」と言えること自体が、選手を守るための重要な情報

として扱うことが大切です。


12.「休ませる=何もしない」ではない

投球を休んでいると、

「何もできない」

と感じる選手もいるかもしれません。

しかし、病態や回復状況によっては、投球以外の活動やコンディショニングを行える場合があります。

Little League Shoulderについても、投球を休止しながら別の活動を行った報告があります。[4] (PubMed)

ただし、

「投球を休んでいるなら、打撃・守備・筋トレなどを自由にしてよい」

という意味ではありません。

どの活動を行えるかは、痛みや診断、回復状況によって異なります。

そのため、

休養中に何をしてよいかは、個別の状態に合わせて決める

ことが基本です。


13.再び投げ始めるときに大切なこと

投球復帰を考えるときは、

「痛みがなくなった日=全力投球の日」

としないことが重要です。

Sgroi & Zajacのreviewでは、投球復帰前に痛み、腫れ・炎症、日常生活、可動域などを確認したうえで、criterion-basedに段階的な投球へ進む考え方が示されています。[5] (PubMed)

また、Wilkら2025年のreviewでは、投球選手のリハビリテーションにおいて、

mobility、strength、endurance、powerなどを段階的に回復させる多段階のアプローチが示されています。[6] (PubMed)

Da Silvaら2025年のreviewでも、投球開始前の評価と、その後のthrowing programが扱われています。[7] (PubMed)

一般的なイメージとしては、

状態を確認する

軽い投球から始める

距離・強度・投球量を段階的に調整する

通常練習へ戻る

実戦へ戻る

という流れです。

※これは段階的な投球復帰の一般的な考え方を示したものであり、すべての選手に同じ順序・投球量・期間が当てはまる固定的なプログラムではありません。病態、年齢、回復状況などに応じて方法は異なります。

特に成長期のLittle League Shoulderでは、研究によって復帰基準にばらつきがあるため、成人・競技レベルの選手向けプログラムをそのまま当てはめることはできません。[4] (PubMed)

詳しい投球復帰の考え方については、「野球肩から投球復帰するまでの考え方」で解説します。


📝 筆者の経験から|「投げられるから大丈夫」と思っていた

私自身、選手だった頃は、

「少しくらい痛くても、投げられるなら大丈夫」

と考えていたことがあります。

試合が近ければ、

「終わったら休めばいい」

と考えてしまうこともありました。

当時は、

「投げられること」と「投げてよい状態であること」が違う

とは、今ほど考えていなかったように思います。

現在、柔道整復師・鍼灸師として身体について学び、少年野球の現場にも関わるようになってからは、肩が痛い選手を見たときに、

「投げられるか?」だけを見るのではなく、「今どのような状態なのか」を確認する

ことを大切にしています。

選手本人が投げたい気持ちも、指導者が試合に出したい気持ちも、自然なものです。

だからこそ、

痛みを言えること。

必要なときに休めること。

状態が整ってから、もう一度投げる準備をすること。

これらを、野球を続けるための一つの過程として考えてほしいと思っています。

※この章は筆者自身の経験・現場経験に基づくものであり、医学的研究結果を示すものではありません。


よくある質問

Q1.少し痛いくらいなら投げてもいいですか?

痛みを我慢して投球を続けることは避けたいところです。

「投げられる」ことだけで投球を続けてよいとは判断できません。痛みの出方や経過を確認し、必要に応じて医療機関へ相談してください。


Q2.投球後だけ肩が痛い場合はどうすればいいですか?

投球との関連を確認するため、

  • どのくらい痛いか
  • どのくらい続くか
  • 翌日まで残るか
  • 毎回起こるか

などを確認しておきましょう。

繰り返す場合や痛みが強くなっている場合は、投球を続けず、医療機関への相談を検討してください。


Q3.翌日も肩が痛い場合は?

翌日まで痛みが残ることは、症状の経過を把握するうえで重要な情報です。

ただし、

「翌日も痛い=重大な障害」

という意味ではありません。

繰り返す場合は、自己判断で投球を続けず、状態を確認してください。


Q4.投げなければ練習してもいいですか?

一律には決められません。

病態や回復状況によっては、投球以外の活動ができる場合もあります。一方、打撃・守備・走塁・筋力トレーニングなどすべてが問題ないとは限りません。

具体的な活動内容は、医療者に確認してください。


Q5.大会前でも休んだ方がいいですか?

大会の日程だけで投球可否を決めないことが大切です。

Pitch Smartなどの投球数・休養のガイドラインは負荷管理の参考になりますが、痛みのある選手に対する個別の医学的投球許可基準ではありません。[8] (MLB.com)

痛みがある場合は、まず身体の状態を確認してください。


Q6.痛みがなくなったらすぐ投げていいですか?

必ずしもそうではありません。

投球復帰では、痛みだけでなく、可動域、筋力、日常生活などを確認しながら、段階的に投球負荷を戻していく考え方があります。[5][6][7] (PubMed)


Q7.子どもは「大丈夫」と言っています。投げさせてもいいですか?

本人の訴えは大切な情報です。

その一方で、

「大丈夫」と言っていることだけで投球可否を決めることはできません。

投球時、投球後、翌日の症状や腕の動かしにくさなども確認し、気になる変化があれば医療者へ相談してください。


まとめ

「野球肩でも投げていい?」という疑問について、最も大切なのは、

「投げられる」ことと「投げてよい状態」であることを分けて考えることです。

ポイントを整理すると、

  • 肩が痛む状態で、痛みを我慢して投球を継続することは避けたい。
  • 投球中だけでなく、投球後や翌日の痛みも確認する。
  • 痛みが繰り返す、強くなる、腕を動かしにくいなどの変化があれば、医療機関への相談を検討する。
  • 成長期では、成人とは異なる肩障害を考える必要がある。[3]
  • 投球を休むことと、すべての身体活動を禁止することは同じではない。
  • 休養期間を一律に「○週間」と決めない。
  • 痛みがなくなっても、すぐに全力投球へ戻るとは限らない。
  • 投球復帰では、状態を確認しながら段階的に負荷を戻す。
  • Pitch Smartなどの投球管理指針は参考になりますが、痛みのある選手への個別の投球許可基準ではない。[8]

肩が痛くなったときに大切なのは、

「今日の試合に出られるか」だけではなく、「これからも野球を続けるために、今どうするか」を考えることです。


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参考文献・情報源

[1]Norton R, Honstad C, Joshi R, Silvis M, Chinchilli V, Dhawan A. 2019

Risk Factors for Elbow and Shoulder Injuries in Adolescent Baseball Players: A Systematic Review.

The American Journal of Sports Medicine. 2019;47(4):982-990.
DOI: 10.1177/0363546518760573.
PMID: 29630388. (PubMed)

思春期野球選手を対象としたsystematic reviewで、22研究を対象としています。年齢、身長、複数チームでの活動、球速、腕の疲労などは投球側上肢障害の独立したリスク因子として整理され、1試合あたりの投球数は肩障害のリスク因子である可能性が示されています。一方、一部の変数については結論が不明確でした。 (PubMed)


[2]Matsuura T, Iwame T, Suzue N, Arisawa K, Sairyo K. 2017

Risk factors for shoulder and elbow pain in youth baseball players.

The Physician and Sportsmedicine. 2017;45(2):140-144.
DOI: 10.1080/00913847.2017.1300505.
PMID: 28277893. (PubMed)

7~11歳の野球選手900人を1年間追跡した研究です。肩痛は18.3%にみられ、肩痛は投手・捕手であること、週あたりのトレーニング時間、肩・肘痛の既往などと関連していました。 (PubMed)


[3]Mergoum AM, Roskam J, Berg M, Nilan L, Hecht S, Smith JD. 2025

Identifying Acute and Overuse Injuries of the Shoulder in Pediatric Sports.

SN Comprehensive Clinical Medicine. 2025;7:407.
DOI: 10.1007/s42399-025-02134-5. (スプリンガーリンク)

小児・青年スポーツにおける急性・オーバーユース肩障害を扱ったreviewです。小児・青年では成人とは異なる肩障害を考慮し、年齢や発達段階を踏まえて評価する重要性が整理されています。 (スプリンガーリンク)


[4]Bednar ED, Kay J, Memon M, Simunovic N, Purcell L, Ayeni OR. 2021

Diagnosis and Management of Little League Shoulder: A Systematic Review.

Orthopaedic Journal of Sports Medicine. 2021;9(7).
DOI: 10.1177/23259671211017563.
PMID: 34377716. (PubMed)

Little League Shoulderについて23研究、266人を対象としたsystematic reviewです。加重平均年齢は12.8歳でした。投球休止や段階的な競技復帰が報告される一方、具体的な復帰基準を報告した研究は11/23で、標準化された復帰基準には課題が残されています。 (PubMed)


[5]Sgroi TA, Zajac JM. 2018

Return to Throwing after Shoulder or Elbow Injury.

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DOI: 10.1007/s12178-018-9454-7.
PMID: 29450826. (PubMed)

肩・肘障害後の投球復帰について、criterion-based progressionを扱ったreviewです。投球再開前に症状や日常生活、可動域などを確認し、その後、段階的に投球へ戻す考え方を示しています。 (PubMed)


[6]Wilk KE, Arrigo CA, Ivey M. 2025

Rehabilitation of the Shoulder and Elbow in the Throwing Athlete.

Clinics in Sports Medicine. 2025;44(2):249-272.
DOI: 10.1016/j.csm.2024.06.001.
PMID: 40021255. (PubMed)

投球選手の肩・肘リハビリテーションを扱ったreviewです。strength、mobility、endurance、powerなどを多段階で回復させ、投球復帰につなげる考え方を示しています。 (PubMed)


[7]Da Silva AZ, Connelly JW, Chalmers PN. 2025

Return to Play Throwing Programs.

Clinics in Sports Medicine. 2025;44(2):273-289.
DOI: 10.1016/j.csm.2024.05.005.
PMID: 40021256. (PubMed)

投球復帰について、投球開始前に確認すべき条件と、その後のevidence-based throwing programを扱ったreviewです。 (PubMed)


[8]MLB / USA Baseball. Pitch Smart

Guidelines for Youth and Adolescent Pitchers. (MLB.com)

年齢別の投球数上限、必要休養日数、複数リーグでの活動、年間投球量、疲労の管理など、若年投手の投球負荷管理に関する指針が示されています。各リーグ・チームをまたいで年間を通して管理する考え方も示されています。 (MLB.com)

※Pitch Smartは投球負荷を管理するためのガイドラインであり、個別の肩痛に対する診断・医学的投球許可基準ではありません。


この記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の症状については、必ず医療機関を受診し、専門家の判断を仰いでください。